いたずらに一つかくした
弟のお菓子。
たべるもんかと思ってて、
たべてしまった、
一つのお菓子。
母さんが二つッていったら、
どうしよう。
おいてみて
とってみてまたおいてみて、
それでも弟が来ないから、
たべてしまった、
二つめのお菓子。
にがいお菓子、
かなしいお菓子。
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おかし/なでしこ
おかし
「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)
〈デザイン解説〉
ふたつしかないお菓子を弟の分まで食べてしまい後悔する、やさしく切ない、そして、かわいい詩。
かわいく、きれいな色の砂糖菓子を重ね、透明感のある世界を描いてみました。