もうすこし、
もうすこし。
芒はせい伸びしています。
あまり照られてしおれそな、
白いやさしいひるがおを、
どうにか、蔭にしてやろと。
もうすこし、
もうすこし。
お日はぐずぐずしています。
まだまだ籠は大きいに、
あれっぽちしかよう刈らぬ、
草刈むすめがかあいそで。
-
芒とお日さま/かれのいろ
芒とお日さま
「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)
〈デザイン解説〉
日に照らされた芒の穂は面白いほど、きれいにくるりとした形になります。
秋も終わりに近づくと、とても美しい、くるりとした芒の穂が気になります。今まですっとした姿とは違い、とても装飾的です。
キラキラとした日の光を浴びて伸びていく様をイメージしました。