花と鳥、
あそんでた、
絵本のなかで。
花と鳥、
ならんでた、
おとむらいのまえに。
たあれと
あそぶ。
花屋の花は。
たあれと
あそぶ。
鳥屋の鳥は。
-
花と鳥/しらちゃ
-
花と鳥/はいあお
花と鳥
「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)
〈デザイン解説〉
「花屋の花」、形も大きさもきれいに揃った美しいお花達。
「鳥屋の鳥」、かごの中のかわいい小鳥達。
こうやって言葉を並べると、何かドキっとして心に刺さるものがあります。自由のない世界、個性が同じ形。
言葉の反対側にある みすゞさんが表現したかったこと。
「花屋の花」ではなく「いろいろな形の自然の樹木や草」。
「鳥屋の鳥」ではなく「大空をのびのびと羽ばたくトンビのような鳥」。
この詩を何度も読んでいるうちに、ストレートな言葉の意味ではなく反対側の世界を描こうと思いました。
日頃、私たちが抱えるストレスや閉塞感(花屋の花、鳥屋の鳥)を忘れ、伸びやかに、強く、自由に羽ばたきたい、そんな気持ちを表現しました。