青いお空の底ふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまで沈んでる、
昼のお星は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
散ってすがれたたんぽぽの、
瓦のすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根は眼にみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
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星とたんぽぽ/くちなし
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星とたんぽぽ/うすべに
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星とたんぽぽ/みずいろ
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星とたんぽぽ/あんず
星とたんぽぽ
「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)

〈デザイン解説〉
目には見えないけれど大切なもの、それをたんぽぽの根っこや昼間の星に例え、私たちにメッセージを送ったみすゞさん。たんぽぽのように生きる強さや、他者への優しさを持つこと、今、この時代に必要な事だと強く感じます。目に見えるたんぽぽのお花と葉っぱは、素直に黄色と緑で、横から見た紺色のたんぽぽは、星を散りばめ「昼間の星」をイメージしています。