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鳥の巣

小鳥、小鳥、
なんで巣をつくる。

藁で、藁で、つくる。

小鳥、小鳥、
そりゃ、お前にゃ似合わんぞ。

そんならなんでつくる。

お羽のいろの青いとと、
お瞳のいろの黒いとと、
お嘴のいろの赤いとと、
三つ、三いろの絹糸で、
編んて、編んで、つくれ。

「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)

〈デザイン解説〉

「庭にメジロの巣を見つけました!」と見せてもらった写真には、まぁるいコロンとした巣の中にとてもキレイな色のたまごがありました。それを見た時に、この「鳥の巣」の詩とデザインイメージが浮かんだことを覚えています。親鳥が巣の材料となるものを一生懸命運んで、丁寧に作られた小さな巣。温かみがあり愛おしさに溢れています。
詩の中の「糸」や「編」という文字から、編み物や組み木細工のようにいろんな色を重ね、鳥の巣を描きました。巣の中にキレイな色のたまごを描き入れると、梅や椿のような丸みのあるお花のようにも見えます。巣の横にはお父さん鳥とお母さん鳥、中には小さなひな鳥もいますので探してみてください。