青いお空の色してる、
小さい花よ、よくお聴き。
むかし、ここらに黒い瞳の、
かわいい女の子があって、
さっき私のしてたよに、
いつもお空をみていたの。
一日青ぞら映るので、
お瞳はいつか、空いろの、
小さな花になっちゃって、
いまもお空をみているの。
花よ、わたしのお噺が、
もしもちがっていないなら、
おまえはえらい博士より、
ほんとの空を知っていよ。
いつも私が空をみて、
たくさん、たくさん、考えて、
ひとつもほんとは知らぬこと、
みんなみていよ、知っていよ。
えらいお花はだァまって、
じっとお空をみつめてる。
空に染まった青い瞳で、
いまも、飽きずにみつめてる。
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空いろの花/あおふじ
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空いろの花/すみ
空いろの花
「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)
〈デザイン解説〉
みすゞうたらしさを表現するために、デザインの中にアクセントとして鈴モチーフを描き込むことがあります。
このデザインはスズランや藤のようですが、「アセビ」というお花をモチーフにしています。
スズランも小さな鈴のようでとても愛らしいのですが、このアセビはスズランの比ではないくらい、鈴だらけ、鈴の数珠つなぎです!一見、地味で素朴なのですが、よく見ると、ほんとにかわいい。白いお花にうっすらと色が付いていて、見れば見るほど可愛さが伝わってきます。
アセビの木は丈夫で育てやすいので、庭木や公園でもよく見かけます。みすゞうたらしいな、と、描いてみました。