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楊とつばめ

無事でいたかと
川やなぎ、
若いつばめに
いいました。

ふたり啼いてた
その枝よ、
ひとりは旅で
死にました。

若いつばめは
もの言わず、
ついと水の面を
ゆきました。

「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)

〈デザイン解説〉

2021年12月に訪れたみすゞさんの故郷、仙崎。小川のほとりに並んで植えられたやなぎの木が美しく、スケッチし、デザイン案を書き留めていました。
みすゞさんの詩集を読んでいると、ちょうど、この「楊とつばめ」という詩に出会い、そのスケッチにつばめを描き加えてみました。
渡り鳥のつばめ達、旅の途中でひとりは力尽きた、という悲しい詩なのですが、
最後の一節で「ついと水面をゆきました。」
と締めくくると軽快さをを感じ、前へ進んで行こう、そんなふうに思えます。その軽快な
リズム感を緑色のやなぎの枝を最後に描き入れ、デザインを仕上げてみました。