金米糖は
夢みてた。
春の田舎の
お菓子屋の
硝子のびんで
夢みてた。
硝子の舟で
海超えて
海のあなたの
大ぞらの
お星になった
夢みてた。
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金米糖の夢/そらいろ
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金米糖の夢/うすこうばい
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金米糖の夢/わかな
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金米糖の夢/こういろ
金米糖の夢
「金子みすゞ 童謡全集」(JULA 出版局)
〈デザイン解説〉
ガラス瓶に閉じ込められた金米糖はみすゞさん自身、当時の苦しい気持ちを瓶の中の金米糖
に例えたのでしょうか。愛らしい金米糖は、瓶の中(みすゞさんが生きた時代)から飛び出して
夜空の星を夢見る、と締めています。
ファンタジーに満ちた表の世界と、どこか淋しさや切なさを感じるもう一つの世界。そのもう一つ
が読む者の心に引っ掛かり、忘れられなくなるみすゞさんの詩。ガラス瓶からコロコロと溢れ出した
金米糖は夜空に輝く星座のように、とデザインしました。